生き方探し

人生を変えたければ環境を変えろ!-人生は選べる Choose Your Life-

「人生は選べると言われて、あなたはどう思いますか?」

今回は篠原 匡さん著書の

人生は選べる Choose Your Life 「ハッシャダイソーシャル」1500日の記録」

を読ませて頂きました。

ハッシャダイソーシャルとは、何かしらの理由で自分の人生を選べない生き方を
している若者を支援する団体です。

  • 片親で家が貧しく進学できなかった。
  • 病気でまともに働けない両親の代わりに働くために進学を諦めた。

と言うような、人生が限定されてしまっている若者に
教育・キャリア支援をしています。

本書は、そのハッシャダイソーシャルの活動を通して

どんな人でも人生は選べる

という信念を貫き通す二人の人物
勝山恵一さん三浦宗一郎さんの活動に注目した記録となっています。

「人生は選べるなんて綺麗ごとでしょ」
「それが出来れば今の私はこんなに苦労していない」

と、思う方がいると思います。

私もどちらかと言うとそっちが側でした。

全く選べないというわけではないけど
妥協すべきところは、あるのではないかと。

それに本書は若者に焦点が当てられているので
本書を読む前までは

「いい歳した大人には関係ない話か・・・」

と思っていましたが、最後まで読むと

人生を変えるための方法
として応用が可能であるということ

また

若者だけでなくて大人にも当てはまる話だなと感じたので
本書の中で問題視されている

選択格差

に焦点を当てて解説してみようと思います。

選択格差とその要因

まず、本書の中でも重要人物である
勝山恵一さん三浦宗一郎さんの生い立ちついて簡単にご紹介します。

勝山恵一さん

京都市内の貧しい人が住んでいるエリアで育つ
ケンカやバイクの窃盗などに明け暮れる典型的なヤンキーだった。

家は母子家庭で弟が一人
周囲には児童養護施設が点在していて
友達も養護施設の子供たちがほとんどだった。

野球が好きで野球選手になる夢があったが
高校を中退することになり諦めた。

ケンカや暴力に明け暮れくれた生活をしていた。

19歳の時に付き合っていた彼女の妊娠が発覚
これをきっかけに真面目に働こうとするが、何をどうすればいいのかわからず
絶望する

そんな時に、彼女の兄の久世さんから声を掛けられ
営業の仕事をすることになる

三浦宗一郎さん

出身は愛知県豊田市、トヨタ自動車が本社を置く企業城下町で生まれる

家は土木会社を営んでいたが、ごく普通の家庭で、父・母・姉・弟の5人家族
中学にあがったころにリーマンショックが起きて
父親の会社の経営が悪化する。

父親と母親の仲はあまりよくなく、ご自身が20歳の時に両親が離婚

教師になりたいという夢があった。
しかし、父親の会社の経営が傾いたことによって
進学が難しくなった。

そんな時に母親が学校のパンフレットを持ってきてくれた
トヨタ工業学園という、トヨタ自動車が運営する教育機関で
学費や生活費がかからず毎月給料をもらいながら勉強ができる学校であった

このお二人の生い立ちからお分かりかと思いますが
お二人とも家庭や周りの環境の影響で、選択できる人生が狭くなってしまっていました。

野球選手と教師と、お二人とも将来の夢がありましたが
結果的に断念することになります。

このように、自分の力だけではどうにも出来ない状況に陥ってしまい
人生を選べなくなってしまっている状態を選択格差と呼んでいます。

このような状況では絶望的になると思います。
私だったら、この時点でもう人生諦めてると思います。

しかし、この絶望的な状況から抜け出すチャンスも実はあるんです。

それは、人生観を変えてくれる人との出会いでした

新しい価値観をもたらしてくれる人たち

勝山さんも三浦さんも、この後色々な人たちとの出会いで成長していくことになります。

まず、勝山さんは付き合っていた女性の兄の久世さんと一緒に光回線通信の個人宅向けの訪問営業をすることになります。

しかし、勝山さんは漢字が読めなかったり、一般常識がなかったりで
まともに営業ができる状態ではありませんでした。

そこで、小学2年生の漢字ドリルから勉強しなおすというレベルで
猛勉強をすることになります。

その後、営業で実践することになりますが
なんと、代理店内のグループで1位を取るくらいになるまで成長することができました。

これ、とんでもないことですよね。

付き合っていた女性が妊娠したことにより
家族も出来て稼がないといけないという崖っぷち感から
「もうやるしかない」という気持ちであったと本書にはありますが
それでも、ここまで成長が出来るというのはとんでもないことだと思います。

三浦さんはトヨタ工業学園を卒業後、トヨタ自動車で働くことになりました。
しかし、毎日同じような作業の繰り返しで仕事が苦痛になっていき
トヨタ自動車を辞めたいと思うようになってしまいます。

そんな時に期間従業員として、3か月だけ働きに来た門口さんと出会います。
彼は三浦さんが苦痛に感じる作業を毎日楽しそうにこなします。

そんな門口さんに「この仕事は楽しいですか?」
と聞いてみると

「楽しいかはわからないけど、どうせやるなら楽しくやりたいと思っている」

とのこと。

この言葉に三浦さんは衝撃を受けました。
仕事はつまらないもので楽しむという感覚はなかったから。

それからは、「仕事を楽しむためにはどうすればいいのか」を
考えるようになります。

最初は挨拶から始まり、仕事が楽になるように工夫したり
先輩と積極的に交流したり、人事部と掛け合って、大卒社員とトヨタ学園卒の人
との交流会を開いたり

その結果、職場の雰囲気はとてもよくなり
仕事も楽しくできるようになりました。

このように、お二人とも新しい出会いによって成長し
新たな道を見つけることができるようになりました。

このお二人のエピソードで共通していることは
「自分で考え選択する」ということが出来るようになったということだと思います。

勝山さんは

「営業という仕事が出来るようになるにはどうしたらいいのか」

ということに焦点を当て、小学2年生の漢字ドリルを始め
猛勉強をするようになります。

三浦さんは

「辛いと思う仕事を楽しむためにはどうすればいいのか」

ということに焦点を当て、挨拶から始まり
自ら積極的に行動を起こすようになりました。

自分で考えて選択するということは
自分の生き方(人生)を選ぶということですよね。

ここに選択格差の根本の原因があるのではないかと思います。

選択格差の根本の原因とは

本書では選択格差の酷い若者を対象にしたサポートの内容が記述されています。

その中には具体的にどうして人生が選べないような状況になってしまったのか
本人の体験談が赤裸々載せられています。

それにはかなりショッキングな内容も多く
「こんなにも酷い世界が存在するのか」と、読むのも辛い内容が多かったです。

そんな中でも
それらを読み進めた結果、選択格差に陥る若者の共通点に気が付きました。

それは

良質な人間関係が築けていない

と言うことです。

特に、最も身近な人間関係である家族との関係が最悪の状態である
ケースが多い。

その理由の多くが、親による暴力や虐待によるものです。
そして、さらに読み進めていった結果
これは

「大人の、さらには一般家庭でも起こっていることなのではないか」

と感じるようになりました。

もちろん、若者と大人では根底の条件が違うというのもあります。

若者はまだ知識や経験が少なく
自力で稼げる能力もないので、親の庇護を受けなければならず
ある意味で親に依存せざるを得ない状態です。

そのため、あまりにもひどい親であっても
頼るしかなく、選択格差が広がってしまうというわけです。

しかし、大人は違います。
自力で自分自身を養うだけでも稼げるのであれば
本来、自分の人生は選べるはずです。

でもそうできないのはやはり、親を初めとした
周囲の人間関係が大きな影響を与えています。

つまりは

周りのみんなと同じように生きるしかない

と思い込んでしまうんですね。

だから周りの環境が悪ければ、その悪い環境で
生きる選択をせざる負えなくなるわけです。

でも、ここで疑問が残ります。

今の時代はインターネットやSNSで世界中の
色んな生き方をしている人の情報が手に入る時代です。

だったら自分に合う生き方を見つけられるのではないかと

では、なぜそれができないのかと言うと

知らない誰かのことより、身近な人のことの方が
信用しやすいからだと思います。

SNSに上がっている情報はあくまで情報であって
実際に目にしているわけではありません。

しかし身近な人からの情報は、実際にその状況を目にしている
ことが多いかと思います。

例えばですが
意識したつもりはなくても、親と同じ生き方をしていたりしないでしょうか。

スポーツ選手の子供が同じスポーツの選手になっていたり
ミュージシャンの子供が音楽関係の仕事をしていたり

逆に、こんな親のようにはならない!と決心していたとしても
大人になって親と同じことをしていたなんてこともあります。

このように、良くも悪くも生き方の選択肢と言うのは
少なくなりがちです。

目の前に提示された数少ない選択肢に
自分に合う選択肢があれば、その人は幸せな人生を歩めるでしょう。

でも、その中に自分に合う選択肢がなかったら?
とりあえずで、マシな選択肢を妥協で選ぶことになります。

それが

「親に言われたから」

とか

「周りのみんながそうしてるから」

になるわけです。

自分の人生を選ぶには

それでは、自分の人生を選ぶにはどうしたらいいのか。

一番は、今の環境とは違う価値観で生きている人たちに会うことです。

勝山さんと三浦さんのエピソードから
選択格差の沼から抜け出す切っ掛けになったのは
価値観の違う人との出会いが切っ掛けでした。

私も同じような経験があります。

潰瘍性大腸炎という難病を患い、腹痛・血便が頻繁に襲ってくるため
生活の質が急激に下がり、毎日の生活が苦痛でしかない日々が続きました。

そして、医者からは「治すことができない」と言われ
一生、薬を使用し続けてうまく付き合って行くしかないと言われました。

それは当時の私にとっては「死ぬまで苦しみ続けるしかない」と
言われたようで、生きることに絶望するしかありませんでした。

「専門家がそう言うんだから無理なんだ」

と、諦めるしかありませんでした。

それからは、ただ病気に耐えるだけの毎日になりました。
正直、辛かった時期に楽しかった記憶は今思い返してみても
一つもありません。

でも、それでもまだ諦めきれない自分がいました。
何か別の治療法はないのかと。

そんな時にインターネットで検索していたら
とある治療院のホームページに出会いました。

ダメ元でその治療院に行くことにしました。
ですが、この治療院の院長との出会いが
私の人生に選択肢を取り戻す切っ掛けになりました。

周りからは、「病気なんだから仕方ない」とか
「今の状態を維持していこう」みたいな言葉ばかりでしたが
その院長だけが

「治しましょう!」

と言ってくれました。

本当に治せるのかどうか、疑っている状態でしたが
その言葉を聞いたときに、枯れ切った体からエネルギーが湧いてくるのを
感じました。

それから時間は掛かりましたが、今では健常者とほぼ同じ生活が出来ています。

トイレの心配もする必要がなくなったので
遠くの地へ旅に出ることも出来ます。

長期の入院で絶食し、肋骨が浮き出るほどガリガリにやせ細った体も
今では毎日のトレーニングの成果で引き締まった体を手に入れられました。

今の環境の外へ出てみる

今の環境にいる人達は、基本的に現状を変えようとはしません
だからそこにいるあなたも変えないようにしようとしてきます。

そして今の生き方がおかしいとも思うことも出来ずに
なぜか分からないけど、不満な毎日を生きることになります。

それを変えるためには、今の環境とは違う価値観で生きている人たちの
住む世界へ行くことが必要になります。

「それをしたところで自分の人生を選ぶことが出来るの?」

と思うかもしれません。

確かに、それだけでは何も変わらないかもしれません。
しかし、確実に言えることは

「知ることができる」

です。

知れば、今の自分の生き方と比較することが出来ます。
そして、そこから

「今の生き方は自分にとってどうなんだろう」
と考えることが出来ます。

選択格差とは、ある意味自分で作りだしている幻想です。

「こういう生き方しかできない」

と思い込んでいるせいで、本当は無数にある可能性を
自ら否定しているんです。

それは他の世界を知らないだけでもあります。
本当に、この世界には色んな生き方をしている人たちがいます。

それを知るだけでも

「あれ?今の生き方の他にも選択肢はあるのかも?」

と思えるようになるので、まず知ることから始めてみてください。

そして、その人の生き方・経験を吸収し
自分で考えて、行動し、自分オリジナルの生き方を定めるんです。

大人になった今だからこそ、やろうと思えば何でもやれるはずです。
少しでもいいので、外の世界へ冒険してみましょう。

それが、新しい生き方の切っ掛けになるかもしれません。